独特なキャラクターと繊細なメカを描く漫画家 永野護

今年一発目の作家紹介ということで
FSS(ファイブスター物語)の作者、永野護さんを紹介。
ロボット大戦シリーズをされてる方はエルガイムでお馴染みですね。
ホームページ制作中でよく書いてたΖガンダムのモビルスーツも
百式やハンブラビ、キュベレイなどと幾つか担当されていました。
永野護さんについて
永野 護(ながの まもる、1960年1月21日 - )さんは、
日本のメカニックデザイナー、漫画家。
1984年放送のテレビアニメ『重戦機エルガイム』の
デザイナーに抜擢されて注目を集め、
以後アニメ・マンガ等のメカデザインを中心に活躍している。
代表作に漫画作品『ファイブスター物語』(略称『FSS』)など。
現在、株式会社EDIT代表取締役。
ファイブスター物語


http://automaticflowers.ne.jp/
1986年より連載されている『ファイブスター物語』で有名な方です。
私も中学時代に存在を知ってから、のめり込んで現在に至ります。
俗に言われる「信者」と言われても仕方ないかもしれない。
かなり中毒性の高い漫画で
読み始めは難解なのですが、一度ハマッてしまうと
どんどん深みにはまっていきます。
一度読めば終わってしまうのではなく、見返す度に発見がある。
知人に「読み始めたら一気にハマり、一月熟読した」というツワモノも。
男性にとっては白熱ロボット漫画として
女性にとっては『ベルサイユのばら』のような王室の設定。
若年層には強者の凌ぎ合い。
熟年層には、人々の思案の駆け引きなど。
ミリタリーやファッション、音楽に造詣が深い人にもオススメ。
かなり広い層が楽しめる内容になっていると思います。
人物の書き方が「永野節」と言わんばかりの様式になっているので
取っ付きにくい方もいるかもしれませんが
慣れると、この描法でなくてはならなってしまう。
私にとってのデザインについて
最近では、デザインに対する認識も変わってきて
本来の「機能性」や「意味」などの「概念」として捉えられてきています。
一昔前は「外見」などの装飾が重視されていました。
機能・意味について知ってしまうと
漫画やアニメなどのキャラクターでデザインという
言葉を使うことに疑問を持ってしまいます。
・見やすい配色
・新たな構図
・今後の商品展開
などの視点で見ることも出来ますが、
基本は、デザインというより装飾なのかな?と、思っていました。
そこで、デザイン概念の一つ「提案」というものを挙げます。
「プレゼン」という言葉も結構一般的になりましたね。
よくあるのが「都市モデル」や「次世代ホテルの提案」のようなもの。
「携帯電話のデザイン」などもたまに見かけますね。
要は、今の技術では出来ないけれども
機能性やそのモノの意味を考えると、更に良くなるためのアイデア。
漫画・アニメのデザインについて
私が永野護さんの事を「漫画家」だけでなく
「デザイナー」という言葉と併せて紹介したのは
彼の提案力からです。
メカニックの造形の細かさも、各部位に意味がある。
後付の部分もあるでしょうが、何かしらの意味を持たせています。
ファイブスター物語は、架空の世界が舞台ですが
それでも、その世界のルールの上で意味を持たせている。
メカに板バネを採用、装甲が白乳色の半透明
通常のロボット漫画ではあまり聞かないような装飾も
ロボット業界的には、大きな提案だと思う。
また、ファッションデザインに造詣が深い方なので
キャラクター衣装も、新旧多様な時代のデザインが使われています。
物語に出てくる「ファティマ」の衣装設定が面白い。
(人工の人形生命、生きたスーパーコンピューターのようなもの)
人権団体からの圧力があり、
「肌・髪は可能な限り、出さないこと」
「目にはカバーレンズを入れること」
「なるべく、人目にはつかないこと」
という制約があった上で、衣装を作られているんですが
よく参考図形に出てくる「宇宙人(グレイ)」のようです。
別の世界から、地球にやってくれば「宇宙人」です。
その宇宙人のファッションデザインとなると。という考えが伺える。
単純に面白い・カッコイイ・カワイイで済ませず
最後まで提案していることから、彼をデザイナーとして紹介しました。
単純にロボットがカッコイイ!
という理由でオランダのグラフィックデザイナーの
DELTA(NED)デルタ さんもファンだったりします。
話が少し逸れますが、藤子不二雄さんの漫画
「ドラえもん」を始め、デザイン要素がとても強いです。
人が求めるモノを未来の技術という観点で想像しています。
ひみつ道具の中には、本気で研究されているものもあるくらい。
来年公開予定のアレ
ファンの方は既に見たと思うのですが、
一応、来年公開の映画「GOTHIC MADE -花の詩女-」の予告動画です。
単純にこれを使いたいから記事にしたというのもありますが。

ほぼ、一人で作ってるのでホントに
来年公開になるかも定かではありませんが、やり抜いていただきたい。
ストーリーはファイブスター物語のはるか昔の話。なのかな?
本編に出てくる「超帝国」の一部のような印象です。
ロボットの異常なスペックと容姿(エンプレスっぽい)
あと、人物がフィルモアの王子チックなのも、なんとなく気になる。


http://gothicmade.com/
これから読んでみようという方へ
1986年より連載が始まっていますが、現在出ている漫画は全12巻。
これに慣れるとHUNTER X HUNTERの連載が待てないとか言わなくなる。
(アレは週間コミックだから仕方ない気もしますが。)
巻数は少ないですが、その分いろいろ詰め込まれている印象。
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今発売されているコミックを一覧にしました。
2011年の2月より、雑誌掲載時の構成で
新装版が出るようです。

ファイブスター物語 リブート (1) LACHESIS
ボスヤスフォートが生き返るシーンや、
ヤクトミラージュが落ちてくるシーンは大きく変わってるので
一度見てる方も、いいかも。
(リニューアルで、ファンの財布を漁るのはやめてくれとの声もありますが)
これから買ってみようかという方は
隔月出版だそうなので、こちらもいいかもしれませんね。
自分の好きなヤツを少し
捉え方によって、見所がいっぱいあるので
なんとも言えないのですが
私が好きなキャラクターはメヨーヨ朝廷の第3王子
クラーケンベール・メヨーヨ(大帝)

チョロっと出てくる悪役ポジションなんですが、かっけぇ
スラム街(ザンタシティ)をうろついてた時の服装が
グラップラー刃牙に出てくるピクルの現代服を着た姿っぽい
父親を倒して、王位を継承するという
なんとも、ドメスティックバイオレンスな家系だけあって
戦場での肝の据わり具合も良し。
気に入ってるセリフはバハットマの大将ボスヤスフォートのセリフ
デコースの代弁で書かれているのですが
「新興だからこそ出来ることがある」
というもの。
今の世界で言えばアメリカの思想が一番近いかもしれません。
新米の騎士に、剣聖のモーターヘッド(ロボット)を与える時のセリフ。
アート環境に置き換えれば
東京芸大を出立て(中から下くらいの成績)の若手に
ダ・ビンチやら雪舟のアトリエを与えるようなものでしょうか。
(それが残ってるとかじゃなくて、それくらい起こりにくい出来事)
新米の手柄がデカイものほど
各国でくすぶってる実力者が集まってくるという考え。
歴史のある環境では、家系やコネで人生が決まってしまう場合が多い。
私も、ただの馬の骨の一人なので、すごい憧れる。
ボスヤスフォートは作内でデカイ悪ですが
(本当はアマテラスが悪という構図ですが)
考え方や捉え方は、とても優れた器だと思います。
ちなみに、モンハンの嘘記事で書いてた
モンスターの名前も、この漫画からの引用です。
久々に、オタクパワーで長くなりましたが
先にも書いたように、広い層が長く楽しめる漫画だと思います。
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洋楽バンドからの影響も大きいので
音楽に詳しいと、より楽しめるかもしれない。
(ディレイアタック(残像剣)とか、上手いこと付けるもんだ)
面白いお話を探している方は、おすすめです。







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